前回参加した【HR Tech Kaigi】で感じた、「社内での感性や働き方だけでは井の中の蛙状態になってしまう・・・!」という焦りから、外部イベントを調べていた時に目に止まったイベント。
採用力を下げてしまう、人事の落とし穴〜『動機は善、結果が悪』が一番タチが悪い〜
中途採用を1人でやっていると、それが全てになりがちです。
これが良い方向に動けばいいのですが、もし見当違いなことをしていたら、と思うこともしばしば。
今回は曽和さんのお話を伺えるということもあったので、楽しみでした!
曽和さんと言えば、人事・採用では有名ですし、初めてお話を伺ったのが2014年のHRC(Facebookの人事コミュニティ)の交流会で、一方的に存じ上げていた、という方だったのですが、とても気さくな方でお話しやすい方でした。
結論
とても共感できる内容、そしてまさに今ペパボ内で課題となっていたり、トライしようと思っているところが多く、ファンを作る採用周りとかは、頷くしかできなかったです。
内容はボリュームが多くて、全てをメモできる量では無かったのですが、ひとつ目線を上げる、ひとつ踏み込んでみる、というあと1歩を上手く持つようにすると良い、という見解を得ました。
採用目線を上げる
例えば、採用担当として最適な人と、採用に対して最適な人は違うのではないか、という視点。
ただ採用をするという仕事の仕方から、一つ上の視点を持って採用先の組織を一緒に作っていくような視点を忘れずにいること。
忙しいとついつい忘れがちだけれど、一息ついて、「なんのために採用するのか」を考え直すの時間を作るの大切。
採用担当者最適を全ての目的にしてしまうのは危険だけれど、考えとしては間違ってはない(ベンダーに丸投げはちょっと・・・ですが)ので、この視点をもつ人と、それよりも広義で考えられる人がいるといいのだろうな。
ペパボの場合はありがたいことにエンジニア、デザイナをはじめとするサービスの仲間たちが採用担当者意識を持ってくれているので、私がもう少し広い範囲で考えたことなどを共有させていただくことなどもあります。
本当、恵まれているなぁ。
適正テストを科学する
適正テストを科学すると、一定の精度での選考が可能になるんだとか。
例えば、「空気が読める、調和性の高い人を採用したい」、と部門側が思っていても、実際に会社で成果をあげている人は「思ったことをズバズバ言う、空気を読まない人」だったりします。
こういうのをしっかり可視化させることで、育つ人を見つけ出すことはできるかもしれないし、あえて新しい風を吹かせる人材の採用を行えるのかも知れません。
セプテーニさんのHRはすごい、と何度も話にあったのでチェックしないと、というToDoができました。
ミスマッチ社員は採用責任?育成責任?
これは勉強会後の懇親会での話題になったのですが、入社後数年経過してもパフォーマンスが上がらない社員は、採用に問題があったのか、育成に問題があったのか、という結構シビアな議論になりました。
曽和さんは採用と育成の間には「配置」があることを忘れてはいけない、とおっしゃっていました。
これも、適正テストからチームとの相性を図って適材適所に人材を配置することで、離職率が25%から10%以下にまで下げたという実際のデータがあったそう。
本人からの意向をそのまま配属につなげることが、パフォーマンス向上に繋がることにはならない、という点は納得でした。
入社何年後を起点にするか、という点は難しいけれど、一定の期間で評価の動きを計測してみることはありなのかも。
良い志望動機とは
この前に会社のブログでこんな記事を書きました。
曽和さんも、初めから志望動機を強く持っている人は、その会社のファンである場合であり、優秀かどうかは別、とお話されていました。
また、志望動機を「ミッションに共感し」や「サービスが好きなので」 だけではなく、しっかり本質を捉えるために、「生育史」から探ろう、としています。
これまで自分が育ってきた環境などと紐づくようなエピソードが聴けると良いとしていました。
懇親会でご一緒した人事の方(会社はだれもが知る有名外資ブランド)も、選考は自社製品のファンであるかどうかをかなり見る、とおっしゃっていました。
また、曽和さん自身も以前勤められていたライフネット生命で、2人の採用に対し、1万人の応募が来たので、熱意重視の選考をしたという話もありました。
ペパボも、多くの方々に使っていただいているサービスでもあり、エンジニアやデザイナーなどは一度は話を聞いたことがある、という方もいらっしゃると思います。
ただ、それだけでの選考ができるか、というとやはり難しく、選考の中でもっと知って頂く事を重視していきたいと思っています。
その他
まだまだたくさんお話頂いて、90分手を止めることなくメモをしていたのですが、
「抽象的表現」→「具体的表現」
に引き出すことも採用の仕事、というのが印象的でした。
例えば、「学生時代のアルバイト、何していましたか?」と聞いた時に「カフェです」と回答されるより「スターバックスコーヒーです」と回答された方が、その人の人柄や何となくの行動の仕方、考え方などが少し分かる(というか感じ取れる)気がしませんか。
この回答にうまく持っていく流れを作るのが 採用担当の頑張りどころ、とのこと。
より具体的に、そして個人ではなくチームとしてのエピソードを引き出していく。
こちらが想像を巡らせていくのではなく、より具体化したものを提示してもらい、しっかり確認をすることを大切にしましょうというお話でした。
この勉強会の(裏)ハイライト
懇親会があったのですが、参加人数が少なかったので、テーブルを囲んで座って、今回のテーマについてみんなで対話ができたことがすごく有意義でした!
普段は大勢のイベントで、知り合い同士が固まって話してしまうことも多いですが(私ももれなくそのタイプ)今回は皆さん初対面だったのと、少人数ということもあったので、曽和さんのお話や、他社さんの課題などをゆったりと聴けたのがとても良かったです。
曽和さんのお話の中に、Y理論の話やクランボルツの理論の話、酸っぱいブドウの話など、カウンセリングの勉強で覚えてたやつ・・・!
と思い出すことも沢山ありました。
ここら辺も改めて復習しないと、と反省。
(計画された偶発性理論は結構好きだったはずなのに忘れかけている)
と、まとまりなくなってしまいましたが、改めて明日から意識してやっていくことが多いなと感じた勉強会でした。